2025年6月24日

H&Iグローバルリサーチ（株）

*****「潤滑油のグローバル市場予測（～2030年）：ベース油種類別（鉱物油潤滑油、合成潤滑油、バイオ系潤滑油）」産業調査レポートを販売開始 *****

H&Iグローバルリサーチ株式会社（本社：東京都中央区）は、この度、MarketsandMarkets社が調査・発行した「潤滑油のグローバル市場予測（～2030年）：ベース油種類別（鉱物油潤滑油、合成潤滑油、バイオ系潤滑油）」市場調査レポートの販売を開始しました。潤滑油の世界市場規模、市場動向、市場予測、関連企業情報などが含まれています。

***** 調査レポートの概要 *****

潤滑油市場は、機械要素間で発生する摩擦・摩耗・熱を低減し、機器の効率化と寿命延長を実現する重要な資材である。自動車エンジン、産業機械、金属加工設備、海洋船舶など幅広い用途で利用され、各種ベース油（鉱物油、合成油、バイオ系油）や製品タイプ（エンジン油、タービン油、金属加工油、油圧油）に細分化される。

金額ベースでは、世界の潤滑油市場規模は2025年に1,781億4,000万米ドル（約20兆円）と評価され、2030年には2,041億米ドル（約23兆円）へ成長する見込みである。これに伴う年平均成長率（CAGR）は2.8%と予測され、市場は堅調な拡大基調を維持すると考えられる。

市場成長の主因として、まず高性能エンジンへの需要拡大が挙げられる。自動車分野では燃費改善や排出ガス規制への対応から、より高機能な潤滑油が求められており、産業機械分野でも高負荷・高温環境下での耐久性向上を図るために先進的潤滑剤の採用が進んでいる。また、船舶用途においては国際海事機関（IMO）規制に適合する低硫黄・低粘度油の需要が急増しており、海運業界全体で潤滑油の消費量が増大している。

一方、市場拡大を抑制する要因として電気自動車（EV）の普及が挙げられる。EVは内燃機関を持たず、オイル交換サイクルも長期化するため、従来型潤滑油の需要減少が避けられない。ただし、これを受けて潤滑油メーカー各社はEV向けの冷却油・絶縁油など新製品開発に注力しており、今後は新たな市場セグメントとして成長が期待される。

また、建設・鉱業・農業分野における機械利用増加も大きな機会を提供する。特にアジア太平洋地域ではインフラ投資や都市化・工業化の進展により、ブルドーザーや掘削機、トラクターなど大型機械の稼働率が高まっており、厳しい稼働環境下でも性能を維持する高性能潤滑油の需要が急増している。これにより、従来の自動車向け用途を超えた産業用途での市場拡大が見込まれる。

環境規制の強化も市場動向に大きく影響する要素である。世界各地で排出ガス規制や水質保全法が厳格化される中、潤滑油メーカーは生分解性や低毒性を有するバイオ系潤滑油の研究・開発に投資を拡大している。これにより、持続可能性を重視するエンドユーザーからの需要も高まり、長期的にはバイオベース潤滑油のシェア拡大が期待される。

セグメンテーション別では、金額ベースで合成潤滑油セグメントが最も高いCAGRを記録すると予測されている。合成油は耐熱性・耐摩耗性に優れ、環境面でも生産時のCO₂排出が比較的少ない点が評価されており、消費者の高機能・環境配慮製品への志向と合致している。

製品別では、油圧油（Hydraulic Oil）が2024年に市場第4位のセグメントとして位置付けられている。油圧油は動力伝達用途として産業機械や輸送機器に広く用いられ、近年の油圧機器の高効率化・長寿命化ニーズにより、汎用油から高性能グレードへの置き換えが進んでいる。

地域別展望では、アジア太平洋地域が市場規模・成長率ともに最も高いポテンシャルを有するとされる。中国やインドを筆頭に、製造業・農業機械・建設機械の稼働拡大が著しく、自動車保有率の上昇や所得水準向上も相まって、潤滑油の需要を大きく押し上げる要因となる。また、中東・アフリカ地域でも鉱業・建設投資の増加に伴い、機械用潤滑油の消費拡大が見込まれている。

主要プレーヤーとしては、Shell plc、Exxon Mobil Corporation、BP p.l.c.、Chevron Corporation、PetroChina、TotalEnergies SE、ENEOS Holdings、China Petroleum & Chemical Corporation、Idemitsu Kosanなどが挙げられる。これら企業はグローバルネットワークと研究開発力を活かし、新製品開発や戦略的提携・M&Aを通じて市場シェア拡大を図っている。

***** 調査レポートの目次(一部抜粋) *****

  潤滑油市場における魅力的な機会
1.1. アジア太平洋
1.1.1. バイオベース潤滑油の需要拡大が市場成長の要因
1.1.2. 高性能エンジンへの需要の高まりが潤滑油市場を世界的に牽引
1.1.3. M&Aは今後5年間、市場プレーヤーに有利な機会を提供
1.1.4. アジア太平洋地域は最も急成長している潤滑油市場
1.1.5. 建設、鉱業、農業産業からの需要の増加

  潤滑油の世界市場ダイナミクス
2.1. 原動力：世界的な船舶用途の需要増加
2.2. 制約：電気自動車の需要拡大
2.3. 機会：建設、鉱業、農業産業からの需要拡大
2.4. 課題：厳しい環境規制

  世界の潤滑油市場のエコシステム分析
3.1. 有力企業の市場ポジショニング
3.2. 基油の種類別分析
3.2.1. 鉱物油潤滑油
3.2.2. 合成潤滑油
3.2.3. バイオ系潤滑油
3.3. 製品種類別分析
3.3.1. エンジン油
3.3.2. タービン油
3.3.3. 金属加工油
3.3.4. 油圧油

  地域別市場分析
4.1. アジア太平洋地域
4.1.1. 中国市場
4.1.2. インド市場
4.1.3. 日本市場
4.1.4. その他東南アジア諸国
4.2. 北米地域
4.3. 欧州地域
4.4. 南米地域
4.5. 中東・アフリカ地域

  潤滑油市場の最新動向
5.1. 2024年12月：TotalEnergies SE と Ford Trucks の欧州戦略的パートナーシップ締結
5.2. 2024年5月：Exxon Mobil の Pioneer Natural Resources 社買収完了
5.3. 2024年1月：Shell plc による M&I Materials Ltd.（MIDEL/MIVOLTブランド）買収完了
5.4. 2021年1月：BP p.l.c.、インド・プネーにデジタル・ハブ設立

  主要市場プレーヤー
6.1. Shell plc (UK)
6.2. Exxon Mobil Corporation (US)
6.3. BP p.l.c. (UK)
6.4. Chevron Corporation (US)
6.5. PetroChina Company Limited (China)
6.6. TotalEnergies SE (France)
6.7. ENEOS Holdings, Inc. (Japan)
6.8. China Petroleum & Chemical Corporation (China)
6.9. Idemitsu Kosan Co., Ltd. (Japan)

  調査方法論
7.1. データ収集手法
7.2. 市場推計モデル
7.3. 定義および前提条件

  付録
8.1. 用語集
8.2. 図表一覧
8.3. 参考文献

※「潤滑油のグローバル市場予測（～2030年）：ベース油種類別（鉱物油潤滑油、合成潤滑油、バイオ系潤滑油）」調査レポートの詳細紹介ページ

⇒https://www.marketreport.jp/lubricants-market-3

※その他、MarketsandMarkets社調査・発行の市場調査レポート一覧

⇒https://www.marketreport.jp/marketsandmarkets-reports-list

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